映画『ミルク』
ハーヴィー・ミルクという、アメリカで初めてのゲイで公職についた政治家についての実話をもとにした映画です。
ただでさえ、差別の激しいアメリカで、「初めて」ゲイや高齢者、病人などのマイノリティの立場を訴えたというのは、どんなに大変な事だったろう、と思うと、見てみたくて仕方なかったです。
で、丁度チャンスよく、見ることができました。(ダッシュして汗だくでしたが)
とても、力強い映画でした。ショーン・ペン演じるミルクが絶賛されていますが、それは勿論のこと、彼を支え導いたともいえるずっと年下の恋人、スコットがとても良かったです。顔立ちもすごくいいのですが、ミルクを支えるあの、ほほえみが、まるで守護天使のよう♪
だんだんと政治活動に巻き込まれ、走り続けざるを得なくなり、スコットと別れることになってしまいますが、その後も、折に触れ、ミルクを支えていたと思います。ミルクもまた、スコットに対して恥じない自分、を生きようとしていたように見えました。
ミルクを支えるほかの人たちも、短い時間の中で、とても魅力的に描かれています。
何より「私が暗殺される事があったら、このテープを聴いて欲しい」と始まる、その心からの訴えが、とてもせつない演説です。6号提案についても、どれほど、ゲイの人たちの人権を奪い、人命をも脅かす事になるか、それをどれほど恐れたか、細かい文書でなく、ダイレクトに心に響いてきます。
アメリカが好きではないのですが、『シッコ』やこの『ミルク』など、こういう素晴しい映画をみせられちゃうと、やっぱ、すごいとこあるよな、とは、認めざるをえません。
自分に足りない、熱い想いを行動に移すエネルギー。それをまざまざと見せ付けられた映画でした。
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