« 白酒・菊志ん二人会(浦和市民寄席) | トップページ | さよなら、めがね »

岡村昭彦の写真 「生きること 死ぬことのすべて」

今まで知らなかったが、素晴らしい写真展だった。
ベトナム戦争やロンドンデリーの紛争がメインで、その他小泉八雲関連のも。
展示の中に、昔「太陽」で岡村が書いた八雲の記事があった。ケース越しの1ページだけだったが、つい読んでしまい、それはとても読んで良かった内容だった。
八雲が友人と、何が道徳的に悪い行為か、と論じ、彼は「弱いものを自らの快楽のために傷つけること」と暫し黙考の後答え、その具体例を上げる。岡村もその話を知って、八雲先生が、熱いアイリッシュ魂の持ち主であると瞠目するのだが、私もだった。そういう話しを引き出して来たところに、岡村のパワーも感ずる。
敢えて主張を排除し、今ここでおこっている、人が人との間でしでかしている、それを写しとっていくような写真に感じた。
このように死にたくない。このように殺されたくない。だからこそ。
このように殺したくない。
誰をもだ。
戦争に入ってしまえば、殺したくないというまともな主張が、死に繋がる。
狂人の戯れ言に巻き込まれ、殺し合いを続けていくことになる。
岡村の強靭な精神と体力あってこその従軍写真も多々あった。
人物像も興味深いようだ。彼について調べてみたいと思った。

|

« 白酒・菊志ん二人会(浦和市民寄席) | トップページ | さよなら、めがね »

文化・芸術」カテゴリの記事